くせ毛考察編

【くせ毛考察編01】ネット上にある「くせ毛になる理由」のウソと真実

まず、くせ毛改善を考えるにあたり、まずネット上にあるくせ毛の原因について、それが正しいのか、はたまた間違っているのかについて検証してみたいと思います。

くせ毛はなぜか思春期に現れる

さて、みなさんがくせ毛の悩みを抱えるようになったのは、いつ頃からでしょうか?

恐らく、小学校高学年から」や「中学校くらいから」と答える方が大半でしょう。

つまり、幼少期の頃は髪がサラサラか、またはそれに近い状態で髪に悩みを抱えることはなかったものの、思春期の頃になると突然髪がうねり始め、悩みの種になったのです。

では、なぜ思春期になるとくせ毛に変化してしまうのでしょう。

ネット上のさまざまな憶測

くせ毛に悩む方は、少しでも自身のくせ毛を改善しようと、ネットや書籍などで色々調べ回ったことと思います。

しかし、そこに書かれてあるくせ毛の原因には、「髪質が軟毛から硬毛になったため」「ホルモンバランスが変化したため」「頭皮に老廃物が溜まったため」など、さまざまです。

ネット上にあるくせ毛の原因の憶測
・髪質が軟毛から硬毛に変化したため
・生活習慣の乱れやストレスによるもの
・ホルモンバランスが変化したため
・加齢によるもの
・体の成長により頭蓋骨が大きくなったため
・親の遺伝によるもの
・頭皮に老廃物が溜まったため

現代の医療ではくせ毛は「疾患」として扱われないため、専門家による研究が思うように進まず、上記のように、素人が好き勝手に論じているのが現状なのです。

くせ毛で悩む人は、これらの憶測を見てひとつずつ原因を潰していき、なんとかしてくせ毛を改善しようと努力してきたことでしょう。

しかし、どうやっても上手くいかず、やがては親のくせ毛の髪質を見て、親の遺伝が現れたのだろうと自然に理解します。

そうです。くせ毛の原因は親の遺伝です。そして、その遺伝の形質が現れる時期がまさにその思春期なのです。

では、その現象を考える前に、ネット上にあるくせ毛になる原因が、本当に正しいのか、あるいは間違っているのかについて検証をしていきたいと思います。

毛髪が軟毛から硬毛に変化したため

くせ毛は、「思春期になり、毛髪が軟毛から硬毛に変化したため」という理由を見掛けます。

確かに幼少期の毛は細く、体の成長とともに毛髪も徐々にその直径を増し、男性では20歳前後、女性では35歳前後でその直径が最大となります。

しかし、生物学的な「軟毛」とは、メラニン色素が薄く、細く短い毛のことをいい、女性の体毛のように、よく観察しないと生えているのか分からない毛のことです。

実は、母胎内にいるときに全身の体毛は、既に「産毛」から「軟毛」に生え代わり、頭髪は出生後、数か月以内に太くて有色素の「硬毛」に変化しています。

また、全身の体毛は、思春期に分泌されるアンドロゲンにより、男女ともわき毛や陰毛が、男性ではヒゲやすね毛などが、軟毛から硬毛に変化します。

つまり、幼少期の頭髪は既に硬毛化している状態であり、この理論はそもそも軟毛と硬毛の区別がついていないと言わざるを得ません。

生活習慣の乱れ、ストレスによるもの

くせ毛の原因は、不規則な生活や過度なダイエット、睡眠不足などの「生活習慣の乱れ」や「ストレスによるもの」などとも言われています。

確かに東洋医学では、頭髪は血の余りものである「血余」で作られるという考えがあり、体内の健康状態は、すなわち頭髪の良し悪しとして如実に現れます。

生活習慣が乱れ、ストレスが溜まり、体内の健康状態が悪化すれば、頭髪にもそれが表れ、ツヤがなくなったり、うねったり、枝毛、切れ毛が生じます。

この原因は、血液をより生命維持に重要な臓器の修復に回し、優先度の低い頭皮への配分が削られたためであり、後天的なくせ毛の原因にはなり得ます。

しかし、思春期に発症するくせ毛は先天的な遺伝が原因であり、直毛の人は少々生活習慣が乱れ、ストレスが溜まったとしても、なかなかくせ毛になることはありません。

規則正しい生活習慣、ストレスの少ない生活は、くせ毛改善のための重要な土台にはなりますが、私たちが悩んでいるのはその部分ではありません。

体の成長により頭蓋骨が大きくなったため

くせ毛の原因は、「体の成長により頭蓋骨が大きくなったため」というのがあります。

皮膚というのは、内側の骨が成長したり皮下脂肪が増えると、それに引っ張られるように伸びて成長し、軽い緊張状態を保つことで、内側の全ての組織を支えます。

つまり、骨が成長することで皮膚が引っ張られ、その部分の血行が悪くなることは十分に考えられ、その結果、髪にくせが生じることはあり得ます。

実際に、頭皮の一部を切開して糸で縫い、頭皮を緊張状態にして、毛髪の状態を観察した実験では、その部分の血流が悪くなり、毛髪の成長が阻害されました。

頭蓋骨の大きさは、女性に比べ男性の方が大きいのですが、これは女性がエストロゲンによる骨成長の停止が早く訪れるため、頭蓋骨の成長が早期に止まるためです。

そして、女性より男性の方が、また男性でも頭が大きい人の方がくせ毛の割合が高く、頭蓋骨の大きさは、くせ毛の原因の一つであるといえるでしょう。

ホルモンバランスが崩れた、変化したため

くせ毛になるのは思春期になって、ホルモンバランスが崩れたため」「ホルモンバランスが変化したため」という理由を見掛けます。

確かに思春期には、下垂体から成長ホルモン、精巣や副腎からアンドロゲン、卵巣からエストロゲンなどのホルモンが大量に分泌され、第二次性徴を促します。

しかし、これは万人に訪れる正常な生理作用であり、「ホルモンバランスが崩れた」と呼ぶのは正しくありません。

また、「ホルモンバランスが変化した」というのは、間違っている訳ではありませんが、これらのホルモンの分泌が急増しても、直毛の人は直毛のままです。

これらの主張は、ホルモンに原因がありそうだということは把握しているため、ほぼ正解と言えますが、どのホルモンが原因かは分かっていないのです。

加齢によるもの

くせ毛の原因に、「加齢によるもの」であるという主張も見かけます。

確かに、女性の場合は、若い頃は風でなびくようなサラサラの髪質の方がほとんどですが、年配の女性では、天然パーマのようなモコモコした髪質の方が多いのを見掛けます。

これは、上記の原因と同じで、更年期を迎えた女性のホルモンの分泌、具体的にはエストロゲンの分泌が極端に低下したために起こったことが原因なのです。

一方、男性の方は、一般的に女性よりくせ毛の方が多いですが、年配の男性だと、天然パーマのようなくせ毛の方はあまり多く見かけません。

つまり、「加齢」という経年劣化のようなことが毛髪に起こったのが原因なのではなく、女性が更年期を迎えたために、ホルモンの分泌が極端に変化したことが原因なのです。

親の遺伝によるもの

くせ毛は、「親の遺伝によるもの」とよく言われます。最初に説明した通り、これが正解です。

恐らく、皆さんの両親もしくは祖父母のどなたかはくせ毛でしょうし、エチオピアンと呼ばれるアフリカ系の強い縮毛を親に持つ子は、高確率でその髪質が遺伝します。

そのそも、子供というのは父親と母親の2種の遺伝子だけを引き継いだ存在であり、髪質だけでなく、身長、体重、容姿知能、特技、性格、疾患など、あらゆるものが遺伝します。

両親から引き継いだこれらの形質は、その後の生育環境により変化する部分もありますが、環境に影響されにくい部分もあり、その代表例が髪質です。

また、遺伝というのは生まれた時から現れている訳ではなく、適切な時期に、適切な環境で現れるものがあり、そのシグナルとなっているものがホルモンなのです。

思春期に分泌される大量のホルモンは、それ自体がくせ毛の原因になる訳ではなく、それがシグナルとなって、親の遺伝形質が発現したものなのです。

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